「新NISAが始まったから、とりあえず人気の投資信託(インデックスファンド)を買っておけば安心」と考えていませんか?
メディアでも活躍するプロ投資家・神王リョウ氏は、「投資信託は基本的に買わない。インデックス投資も条件次第では危険」と警鐘を鳴らしています。
なぜプロの投資家は投資信託を避けるのか?
過去10年の株価上昇を支えていた背景や、新NISA時代に潜む「インデックス投資の落とし穴」とは何なのか。
この記事では、神王リョウ氏が指摘する投資信託のリスクや運用手法の違い、そしてこれから新NISAで資産運用を始める初心者・中級者が持つべきリアルな投資スタンスをわかりやすく整理して解説します。
投資信託とインデックスファンドの根本的な違い
投資を始める際、よく混同されがちなのが「インデックスファンド」と「一般的な投資信託(アクティブファンド等)」です。
神王氏はまず、この2つを明確に区別して考える必要があると述べています。
インデックスファンドの特徴
日経平均株価やS&P500、オルカン(全身株)など、特定の市場指数(インデックス)の値動きに連動するように設計された金融商品です。
- メリット
システム的に運用されるため手数料(信託報酬)が非常に安い。 - ターゲット
知識が少ない初心者でも市場平均のパフォーマンスを得やすい。
アクティブ型投資信託の特徴
ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、市場の平均以上の成果を目指して銘柄を厳選・売買する金融商品です。
- デメリット
人件費やリサーチ費用がかかるため、信託報酬(手数料)が高めに設定されている。 - リスク
ファンドマネージャーの力量や相場観にパフォーマンスが大きく左右される。
神王氏は、「インデックス投資は前提条件さえ整っていれば選択肢としてアリだが、手数料が高く成果が不安定なアクティブ型の投資信託には基本的に手を出すべきではない」と明確なスタンスを示しています。
神王リョウが解説する「インデックス投資の本質」
近年「S&P500やオールカントリーを買っておけば勝てる」というインデックス投資最強説が定着しました。
しかし、なぜ過去10年間でインデックス投資がこれほどの成果を出せたのか、その構造的な理由を理解している人は多くありません。
神王氏は、過去10年の米国株が右肩上がりだった背景には「3つの大きな環境要因」があったと指摘します。
- 企業の自社株買い
米国企業が市場から自社の株を買い支え、1株あたりの価値を引き上げていた。 - 中央銀行による大規模な金融緩和
世の中に大量の資金が供給され(カネ余り状態)、その資金が株式市場へ流入した。 - 低金利環境
資金調達が容易で、企業が成長しやすい環境が揃っていた。
つまり、過去10年の上昇は単に「企業の実力」だけによるものではなく、世界的な金融・環境要因によって底上げされていた側面が強いということです。
「過去10年が右肩上がりだったからといって、次の10年も同じ環境が続く保証はどこにもない」という点を冷静に受け止める必要があります。
神王リョウが投資信託を買わない3つの理由
プロ投資家である神王氏が、一般的な投資信託の購入を避ける背景には、構造的な3つの理由があるようです。
理由①:信託報酬(手数料)が継続的に資産を削る
投資信託は、運用成績がプラスであってもマイナスであっても、保有しているだけで毎年一定の「信託報酬」が発生します。
長期間にわたって年1%〜2%の手数料を払い続けることは、複利効果を著しく阻害する大きなマイナス要因となります。
理由②:ファンドマネージャーの力量と体制が不透明
プロが運用しているとはいえ、ファンドマネージャー個人の能力には大きな差があります。
また、過去の運用成績が優秀だったとしても、担当者が変更されていたり、ファンドの方針が変わっていたりするリスクがあります。
「誰がどのように運用しているか見えにくい」商品に大切な資産を託すのはリスクが高いといえます。
理由③:市場全体が下落したとき、守る術がない
プロが介在している投資信託であっても、株式市場全体が暴落した際には同様に価格が下がります。
「プロが上手に下落を回避してくれる」ということは基本的にありません。
ベータ運用とアルファ運用の決定的な違い
投資の世界には、運用の考え方として「ベータ(β)運用」と「アルファ(α)運用」という用語があります。
この違いを知ることで、投資信託の限界が見えてきます。
| 運用スタイル | 概要 | 相場下落時の動き | 主な対象 |
| ベータ(β)運用 | 市場全体(指数)と同じ動きを目指す運用 | 市場が下がれば同じように下落する | 多くの投資信託・インデックスファンド |
| アルファ(α)運用 | 相場の上げ下げに関係なく「絶対収益」を目指す | 市場が下がってもプラスを狙う | ヘッジファンドなど |
一般的な投資信託のほとんどは「ベータ運用」です。
たとえば日経平均が5%上昇したときに5.1%上がれば優秀と評価されますが、日経平均が20%下落すれば、その投資信託も約20%下落します。
神王氏は「ベータ運用である投資信託は、下落相場が訪れたときに個人の資産を守ってくれない」という点を問題視しています。
新NISAで投資信託を選ぶ際の注意点
2024年にスタートした新NISA(非課税制度)を活用し、積立投資を始める人が増えていますが、新NISAで投資信託を選ぶ際には「ある重大な前提」を認識しておく必要があります。
それは、「株価は長期的に右肩上がりで成長し続ける」という前提が崩れた瞬間、インデックス投資であっても含み損を抱え続けることになるという点です。
もし今後10年、20年にわたって米国株や世界株が横ばい(ボックス相場)、あるいは長期的な下落トレンドに入った場合、ドルコスト平均法で積み立てていても資産が増えない期間が長く続くことになります。
「買っておけば将来必ず儲かる」という過度な楽観論だけで資産の大部分を投げ込むのは危険です。
投資初心者がこれから取るべき現実的な投資スタンス
それでは、これから資産形成を行いたい初心者はどのように投資と向き合うべきなのでしょうか。
神王氏のアドバイスをもとに、現実的なアクションプランをまとめました。
少額でのドルコスト平均法は「学習の機会」としてアリ
毎月数千円〜数万円程度の無理のない範囲で積み立てを行うことは、相場の波や値動きの感覚を身につける上で非常に有益なトレーニングになります。
収入の大半を投資信託に集中させるのは避ける
手元の資金や毎月の収入の1/4、1/2といった大きな割合を「みんなが買っているから」という理由だけで投資信託に突っ込むのはリスクが高すぎます。
資産のポートフォリオや生活防衛資金とのバランスを常に考慮しましょう。
自分の頭で考える「投資の勉強」を怠らない
「金融のプロやAIに任せておけば安全」というスタンスは資産運用の世界では通用しません。
経済の仕組み、企業の決算書、チャートの読み方など、自ら勉強して判断力を養う姿勢こそが、長期的に資産を守り増やすための唯一の道です。
まとめ:過去10年の成功体験がこれからの10年で通用しないリスク
投資の世界では、「過去のパフォーマンスが将来の成果を保証するものではない」という原則があります。
- 過去10年
低金利と金融緩和、自社株買いに支えられた「インデックス投資の黄金期」だった - これからの10年
金利環境の変化、世界情勢の不確実性により、過去と同じような右肩上がりが続くかは不明
新NISAを活用して積立投資を行うこと自体は決して間違いではありません。
しかし、「なぜ過去は株価が上がっていたのか」「これから先も同じ環境が続くのか」を自分の頭で噛み砕き、リスクを理解した上で資産運用を進めていくことが重要です。

