近年、将来の備えとして「企業型確定拠出年金(企業型DC)」の重要性が高まっています。
その中でも、2026年(令和8年)4月に予定されている法改正は、従業員の資産形成を大きく後押しする内容となっています。
本記事では、マッチング拠出の仕組みと、改正によって何が変わるのかを分かりやすく整理しました。
1. マッチング拠出の基礎知識と現行の制限
通常、企業型DCは会社が掛金を拠出しますが、「マッチング拠出」を導入している企業では、従業員本人が給与から掛金を上乗せして拠出できます。
マッチング拠出のメリット
- 全額所得控除
拠出した掛金はすべて所得控除の対象となるため、高い節税効果が期待できます。 - 効率的な運用
給与天引きで手間なく老後の資産形成が可能です。
現状の「2つのルール」
現行制度では、従業員が拠出できる金額に以下の制限があります。
- 事業主掛金を超えてはならない(本人の掛金 ≤ 会社の掛金)
- 合計額が拠出限度額を超えてはならない(例:月額5.5万円以内)
2. 2026年(令和8年)4月からの改正ポイン
2026年4月1日より、マッチング拠出の柔軟性を妨げていた制限が緩和されます。
「事業主掛金以下」の制限が撤廃
これまでは「会社が1万円しか出していないから、自分も1万円までしか出せない」といったケースがありましたが、改正後はこの壁がなくなります。
- 改正内容
「加入者掛金は事業主掛金を超えてはならない」という制限の撤廃 - 改正時期
2026年(令和8年)4月1日より - 改正後の姿
合計額が法定の拠出限度額内であれば、事業主掛金よりも多い金額を本人が拠出できるようになります。
3. 実施にあたっての留意点
改正後も、無制限に拠出できるわけではありません。
以下の点に注意が必要です。
- 企業の導入状況
勤務先がマッチング拠出制度を採用している必要があります。 - 拠出限度額の遵守
「本人+会社」の合計額は、引き続き規約で定められた拠出限度額(月額5.5万円等)を超えることはできません。 - 休職時の制限
育児休業や介護休業などで事業主掛金が0円となっている期間は、マッチング拠出は行えません。 - 他制度との兼ね合い
確定給付企業年金(DB)等にも加入している場合は、限度額の計算が異なる(月額2.75万円が上限になる等)ため注意が必要です。
まとめ:より柔軟な資産形成が可能に
2024年12月の拠出限度額判定方法の変更に続き、2026年の制限撤廃により、加入者本人が自身のライフプランに合わせて柔軟に掛金を設定できる環境が整います。
今後の流れ
制度の詳細は勤務先の規約によって異なる場合があります。改正に向けて、ご自身の拠出状況を一度確認しておくことをおすすめします。

