「老後資金を作るならiDeCo」とよく耳にしますが、実は万人に向いている制度ではありません。
特に、目先の資金繰りやライフイベントを無視して始めると、大きなリスクになることもあります。
この記事では、iDeCoのデメリットと注意点を、忖度なしで分かりやすく解説します。
1. 原則60歳まで引き出しができない(最大のデメリット)
iDeCoは「老後資金の形成」を目的とした制度であるため、預金のように途中で引き出すことが一切できません。
結婚、出産、住宅購入、急な病気や失業などで現金が必要になっても、iDeCoの資産は使えません。
生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を確保した上で、余剰資金で始めるのが鉄則です。
2. 手数料がかかる(放置してもマイナスになる可能性)
iDeCoは加入時だけでなく、運用期間中も毎月手数料が発生します。
- 初期費用
加入時に2,829円(税込) - 運用コスト
毎月最低171円(年間2,052円〜) - リスク
積立額が少額すぎたり、運用利回りが低かったりすると、「手数料負け」して資産が目減りする可能性があります。
3. 節税メリットがない人には「ただの縛り」
iDeCoの最大の武器は「掛金の全額所得控除」です。
ですが、以下の方はその恩恵を受けられません。
- 専業主婦(主夫)
そもそも所得税・住民税を払っていないため、所得控除が使えません。 - 住宅ローン控除で所得税がゼロの人
すでに控除を使い切っている場合、iDeCoによる節税効果が限定的になります。
4. 元本割れのリスクがある
iDeCoは自分で運用商品(投資信託など)を選びます。
運用成績が悪ければ、受け取り時の資産が投資した元本を下回る「元本割れ」の可能性があります。
定期預金のような「元本確保型」も選べますが、前述の手数料によって実質マイナスになるケースが多いです。
5. 受取時に税金がかかる場合がある
「出口戦略」と呼ばれる問題です。
積み立て時は非課税ですが、受け取る時には課税対象となります。
公的年金等控除や退職所得控除を利用できますが、会社の退職金が多い人は、合算されて税金が高くなってしまうケースがあります。
受取時のシミュレーションを事前に行うことが重要です。
iDeCoに向いている人・向いていない人
| 特徴 | 向いている人 | 向いていない人 |
| 所得 | 安定した所得があり、所得税を払っている | 所得がない、または非常に低い |
| 貯蓄 | すでに当面の生活費が貯まっている | 貯金が少なく、急な出費に不安がある |
| 年齢 | 30代〜50代(節税期間を長く取れる) | 20代(結婚や住宅購入で現金が必要な時期) |
まとめ:iDeCoは「余剰資金」で始めるのが正解
iDeCoのデメリットを理解せずに始めると、60歳までの「資金ロック」に苦しむことになります。
まずはNISAなど、いつでも引き出し可能な制度から検討し、さらに節税を追求したい場合にiDeCoを併用するのが賢い戦略です。
Check!
自分の年収と掛金を入力して、年間でいくら税金が安くなるか「シミュレーション」をすることから始めてみましょう。

