円安容認発言の影で深刻化する「子どもの絶対的貧困」|食料すら買えない困窮世帯の実態

落ち込む 経済

衆議院議員選挙の最中、高市総理による円安に関する発言が波紋を広げています。
「外為特会(外国為替資金特別会計)の運用がほくほく状態だ」という、円安による含み益を肯定的に捉える表現は、市場では「円安容認」と受け止められました。

しかし、国家の帳簿が潤う一方で、国民の足元では「円安による物価高」が生活を容赦なく圧迫しています。
特に深刻なのが、育ち盛りの子どもを抱える困窮世帯です。
かつての日本で「貧困」といえば、周囲と比較して所得が低い「相対的貧困」が主でしたが、現在は衣食住という生存の基本すら危うい「絶対的貧困」が、私たちのすぐ隣で広がっています。

データが示す「食べられない子どもたち」のリアル

地方自治体や支援団体が発表した最新の調査結果(2025年)からは、統計上の数字以上に過酷な現実が浮き彫りになっています。

1. 沖縄・世田谷:地域を問わず広がる食の欠乏

「裕福な自治体」のイメージが強い東京都世田谷区でさえ、困窮層の実態は深刻です。

  • 沖縄県(2025年5月調査)
    食料が買えなかった経験を持つ困窮世帯が増加。
    特に小学1年生と中学2年生で顕著であり、中2では約10ポイントも増加しています。
  • 世田谷区(2025年3月調査)
    一般層で食料困窮の経験が「よくある・時々ある」と答えた割合は0.0%ですが、困窮層では38.2%に達しています。

2. 支援現場からの悲鳴:米すら食べられない異常事態

認定NPO法人キッズドアやセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査(2025年)では、さらに踏み込んだ惨状が報告されています。

  • 食事制限の常態化
    困窮世帯の約49%で「子どもの食事が減った」「栄養バランスが悪化した」と回答。
  • 「令和の米騒動」の余波
    2024年以降の米価高騰により、米の摂取量が不十分な世帯が半数を超えています。
    米を工面するために貯金を切り崩し、借入まで行うケースが常態化しています。
  • 健康被害の発生
    物価高により9割以上が十分な食料を買えず、子どもの体重減少や集中力の低下など、深刻な健康被害が懸念されています。

「円安でほくほく」の裏側にある、ギリギリの生存

「外為特会が潤っている」という事実は、裏を返せば、輸入コストの増大による物価高で国民が実質的な増税を強いられていることと同義です。

高市総理が「ほくほく」と表現した利益の裏で、困窮世帯の子どもたちは「円安でギリギリ」の状況を生き抜いています。
親が食事を抜き、子どもにわずかなおかずを譲る。それでも足りず、お腹を空かせたまま眠りにつく。
こうした状況は、今の日本において決して「特殊な事例」ではなくなっています。

経済的損失は40兆円?子どもの貧困は「国家の危機」

子どもの貧困を放置することは、人道的な問題であると同時に、日本という国そのものの衰退を招く「負の投資」です。

  • 人的資本の毀損
    栄養不足で気力や体力を失った子どもたちは、学びの機会や将来への希望を奪われます。
    本来、社会で活躍できるはずの人材が、スタートラインにすら立てない状況は、国家にとっての巨大な損失です。
  • 40兆円の衝撃
    日本財団が2016年に発表した推計では、子どもの貧困を放置した場合の社会的損失は約40兆円にのぼるとされています。

先進諸国において、子どもの貧困対策は「福祉」ではなく、国の将来を見据えた「人的投資」として最優先事項に掲げられています。

まとめ:今こそ「国家の富」を子どもたちへ

政策通として知られる高市総理には、外為特会の「含み益」という数字だけではなく、その陰で困窮し、絶望している親子の声に耳を傾けていただく必要があります。

円安で得た利益があるならば、それをただ積み上げるのではなく、今まさに「絶対的貧困」に喘ぐ子どもたちへの現金給付や食料支援、教育支援へと大胆に還流させるべきではないでしょうか。

お腹を空かせた子どもに「将来頑張れ」と説くのは酷です。
まずは、今日のご飯を安心して食べられる環境を整えること。
それこそが、日本を滅ぼさないための、最も確実で効果的な投資なのです。

参照元:「円安でほくほく」の日本で、子どもは今日も空腹のまま―高市総理にも知ってほしい子どもの貧困の実態

この記事の監修者
和泉 大樹(Daiki Izumi)

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