新NISAの普及とともに、「投資といえばインデックス(指数)運用」という考え方が常識となりました。
低コストで手軽な「オルカン(オール・カントリー)」や「S&P500」は、多くの投資家にとっての正解に見えます。
しかし、誰もが同じ方向を向いている今だからこそ、あえてその「死角」に警鐘を鳴らす人物がいます。
さわかみ投信株式会社の代表取締役社長・澤上龍氏です。
この記事では、澤上氏の論考をベースに、インデックスブームの裏側に潜むリスクと、これからの激動の時代にこそ必要な「アクティブ運用」の本質について解説します。
1. インデックス投資ブームは「官製」の流行か?
現在、市場はかつてないほどのインデックス運用ブームに沸いています。
ですが、澤上氏はこの現状を「官製」の側面が強いと分析しています。
- 制度による後押し
金融庁が推奨する「長期・積立・分散」の指針や、つみたてNISA制度そのものがインデックス投資を前提とした設計になっています。 - 東証改革の影響
東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)改善要請などを受け、企業が自社株買いを強化。
これが指数全体を底上げし、インデックス運用のパフォーマンスを支えてきました。
一見、盤石に見えるこの流れですが、「政策や制度によって作られた流行」には、いつか転換点が訪れる可能性を秘めています。
2. インデックス運用に潜む「相場の総崩れ」という懸念
澤上氏が最も危惧しているのは、インデックス投資家の「投資対象への無関心」です。
インデックス投資は、企業のビジョンや価値ではなく「指数(数値)」に投資します。
そのため、多くの投資家が価格変動だけを注視するようになります。
「思考停止」が招くリスク
もし世界的な経済危機や大きな調整局面が訪れた場合、どうなるでしょうか。
「なぜその企業に投資しているか」という根拠(想い)を持たない投資家は、価格の下落に耐えられず、一斉に市場から資金を引き揚げる「投げ売り」に走るリスクがあります。
これが現実となれば、相場は総崩れとなり、ようやく日本に根付き始めた「貯蓄から投資へ」の流れが止まってしまう。
投資が再び「ギャンブル」というマイナスイメージに逆戻りすることを、澤上氏は強く懸念しています。
3. 激動の時代にこそ輝く「アクティブ運用」の威力
では、なぜ今アクティブ運用を再考すべきなのでしょうか。
その理由は、現在の世界情勢の「不確実性」にあります。
- 地政学リスクの常態化
米中対立、終わらない戦争、各国の大統領選など、予測不能な事態が続いています。 - パッケージ買いの限界
指数に含まれる全企業を機械的に買うインデックス運用は、衰退する企業やリスクを抱える企業も丸ごと抱え込むことになります。
アクティブ運用の真価とは
投資の本質は、「将来価値が向上する企業を厳選し、その成長に乗ること」です。
市場が混迷を極める時こそ、企業のファンダメンタルズ(基礎体力)を徹底的に見極め、本当に強い企業だけに資金を投じる「アクティブな視点」が、資産を守り、育てるための最大の武器になります。
まとめ:あなたの「一票」はどこに向いているか
インデックス運用は非常に効率的で便利なツールですが、澤上氏は投資家に問いかけています。
「あなたは、自分の大切な資金をどこに投じているか意識していますか?」
「オルカンだから安心」と考えるのではなく、自分が応援したい企業、将来の社会に必要だと信じられる対象に資金を投じる。この「意思ある投資」こそが、不確実な時代を生き抜くための知恵となります。
単なる「指数の上下」に一喜一憂する投資から、企業の価値に共感する投資へ。
今こそ、あなた自身の投資のあり方を再考してみませんか?

