日本の仮想通貨(暗号資産)投資家にとって、長年の悲願だった「税制改正」がついに動き出しました。
2025年末に発表された「令和8年度(2026年度)税制改正大綱」にて、暗号資産の税制を現在の「総合課税」から、株やFXと同じ「申告分離課税」へ移行する方針が明記されたのです。
「利益の半分が税金で消える」と言われた重税時代は終わるのか?
改正のポイントと私たちの手残りがどう変わるのかを解説していきたいと思います。
2026年度 税制改正の3つの柱
今回の改正案で、投資家が絶対に押さえておくべき変更点は以下の3つです。
① 税率が最大55%から「一律20.315%」へ
現在、仮想通貨の利益は「雑所得(総合課税)」扱い。
住民税を合わせると最大55%の税率が課されます。
これが改正後は、一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税)となる見通しです。
② 「3年間の損失繰越控除」の導入
これまでは、ある年に大きな損失を出しても翌年の利益と相殺することはできませんでした。
改正後は、最大3年間にわたって損失を繰り越し、将来の利益から差し引くことが可能になります。
③ 2028年1月からの施行を目指す
改正案が順調に国会を通過すれば、2028年(令和10年)1月1日の取引分から適用される見込みです。
少し先の話にはなりますが、今保有している銘柄の出口戦略に大きな影響を与えます。
【シミュレーション】あなたの税金はいくら安くなる?
実際に「申告分離課税」になると、どれくらい手残りが増えるのでしょうか。
一般的な会社員を例に比較してみましょう。
【試算条件】
- 給与所得:500万円
- 仮想通貨の利益:500万円
| 項目 | 現行制度(総合課税) | 改正後(申告分離課税) | 差額(減税額) |
| 税率 | 最大約30%〜(累進課税) | 一律 20.315% | – |
| 推定税額 | 約138万円 | 約102万円 | 約36万円の減税! |
注意点:
所得が低い方の場合、現在の「総合課税」の方が税率が低いケース(例:所得195万円以下なら所得税5%)もあります。分離課税一律化により、一部の層では逆に税負担が増える可能性がある点には留意が必要です。
投資戦略はどう変わる?専門家が教える「盲点」
単に「安くなって嬉しい」だけではありません。
投資戦略そのものを見直す必要があります。
- 「損出し」が有効な戦略に
年末に含み損を確定させ、翌年以降の利益と相殺する「節税売り」が、株式投資と同様に一般化します。 - 「特定暗号資産」の要件を確認
すべての銘柄が分離課税の対象になるわけではなく、一定の要件を満たす銘柄に限られる可能性があります。 - 法人化のメリット減少
個人での税率が20%に下がることで、節税目的の法人設立のハードルが相対的に高まります。
今から準備しておくべきこと
改正を待つ間、投資家として今すぐできる準備が2つあります。
- 取引履歴の徹底管理
繰越控除を受けるためには、過去の正確な取得価額の証明が不可欠です。
今のうちに計算ツール等で整理しておきましょう。 - 長期保有(ガチホ)の検討
2028年以降の利確を目指し、あえて今は売却せずに保有し続けるという選択肢も、今回の改正案で現実味を帯びてきました。
まとめ:仮想通貨は「金融商品」の仲間入りへ
今回の改正は、日本が暗号資産を「怪しい投機」ではなく、正式な「金融商品」として認めた大きな一歩と言えます。
「税金が高いから」と海外へ流出していた投資家が戻り、市場が活性化することも期待されます。

